在留資格

特定技能とは

人手不足分野で即戦力の外国人を受け入れるための在留資格です。1号と2号があり、対象分野、在留期間、企業側の義務が異なります。技能実習とは目的も仕組みも別の制度です。

最終更新日: 2026-04-01

Overview

制度の概要

何のための制度か

特定技能は、深刻化する人手不足に対応するため2019年4月に創設された在留資格です。一定の技能と日本語能力を持つ外国人を、特定の産業分野で即戦力として受け入れることを目的としています。

技能実習が「技能移転を通じた国際貢献」を目的とするのに対し、特定技能は「国内の人手不足への対応」を目的としており、制度の趣旨が異なります。特定技能では外国人本人の転職も制度上認められています。

特定技能には1号と2号があり、求められる技能水準、在留期間、企業側の義務が異なります。

創設 2019年4月
目的 人手不足分野における即戦力の外国人材確保
対象分野 16分野(2024年3月に4分野追加)
転職 同一業務区分内で可能

Comparison

1号と2号の違い

企業判断に直結する項目を比較

項目 特定技能1号 特定技能2号
技能水準 相当程度の知識または経験 熟練した技能
在留期間 通算5年が上限 3年、2年、1年、6月(更新上限なし)
家族帯同 不可 可(配偶者・子に「家族滞在」)
支援義務 あり(義務的支援10項目) なし
対象分野 16分野 11分野
日本語試験 必要(免除ルートあり) 不要
技能試験 必要(免除ルートあり) 必要(2号水準)
永住申請 通算5年の上限あり、永住には移行が必要 更新を重ね永住申請の道がある

1号は通算5年の在留期間上限があるため、長期雇用を前提とする場合は2号への移行か他の在留資格への変更を見据える必要があります。

Fields

対象分野

16分野(2024年3月に4分野追加)

ビルクリーニング 1号・2号
工業製品製造業

2号は機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理のみ

1号・2号
建設 1号・2号
造船・舶用工業 1号・2号
自動車整備 1号・2号
航空 1号・2号
宿泊 1号・2号
農業 1号・2号
漁業 1号・2号
飲食料品製造業 1号・2号
外食業 1号・2号
介護 1号のみ
自動車運送業

2024年追加

1号のみ
鉄道

2024年追加

1号のみ
林業

2024年追加

1号のみ
木材産業

2024年追加

1号のみ

分野ごとに業務区分が定められており、自社の業務内容がどの業務区分に該当するかを確認する必要があります。

Exams

試験要件

技能試験と日本語試験の2軸

特定技能1号を取得するには、原則として技能試験と日本語試験の両方に合格する必要があります。

1号の試験要件

技能試験

分野ごとに定められた試験。各分野の所管省庁が実施。「相当程度の知識又は経験」があることを確認する。

日本語試験

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)N4以上。日常会話レベルの日本語能力を確認する。

免除ルート

技能実習2号を良好に修了した者は、日本語試験が免除されます。

さらに従事しようとする業務と技能実習の職種・作業に関連性がある場合は、技能試験も免除されます。

2号の試験要件

2号技能試験

各分野の2号水準の技能試験に合格する必要があります。日本語試験は不要です。

Criteria

受入企業の基準

特定技能所属機関の適格要件

特定技能の外国人を受け入れるには、企業(特定技能所属機関)が以下の基準を満たす必要があります。

  • 労働関係法令、社会保険関係法令、租税関係法令を遵守していること
  • 1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する従業員を非自発的に離職させていないこと
  • 1年以内に行方不明者を発生させていないこと
  • 5年以内に出入国管理関係法令、労働関係法令で一定の処分を受けていないこと
  • 外国人が十分に理解できる言語で支援を実施できる体制があること(1号の場合)
  • 特定技能外国人の報酬が日本人と同等以上であること

Obligations

企業の義務: 支援義務

1号特定技能外国人に対する義務的支援10項目

特定技能1号の外国人を受け入れる企業は、1号特定技能外国人支援計画を策定し、以下の義務的支援を実施する必要があります。2号には支援義務はありません。

  1. 1

    事前ガイダンス

    労働条件、活動内容、入国手続き等を対面またはテレビ電話で説明

  2. 2

    出入国送迎

    入国時の空港から事業所への送迎、帰国時の空港保安検査場までの同行

  3. 3

    住居確保・生活契約支援

    連帯保証人の提供、社宅の用意、銀行口座開設等の手続き補助

  4. 4

    生活オリエンテーション

    日本のルール、公共機関の利用方法、災害時の対応等の説明

  5. 5

    公的手続への同行

    住居地届出、社会保障、税務手続きの同行と書類作成支援

  6. 6

    日本語学習機会の提供

    日本語教室の案内、学習教材の情報提供

  7. 7

    相談・苦情対応

    外国人が十分に理解できる言語での対応体制の整備

  8. 8

    日本人との交流促進

    自治会活動、地域行事への参加案内と補助

  9. 9

    転職支援

    企業側の都合による雇用契約解除時の転職先探しと有給休暇の付与

  10. 10

    定期面談

    3か月に1回以上の面談実施。労働基準法違反等を知ったときは関係機関への通報義務

支援の全部または一部を登録支援機関に委託できます。ただし、委託しても支援計画の策定義務と届出義務は企業に残ります。

Notifications

企業の義務: 届出義務

定期届出と随時届出の2種類

定期届出

令和7年度(2025年4月)以降、年1回の届出に変更。

対象年度(4月1日〜翌年3月31日)の受入状況・活動状況・支援実施状況を、翌年5月31日までに届出。

提出先: 管轄の地方出入国在留管理官署または電子届出システム

随時届出

以下の事由が発生した場合、事由発生日から14日以内に届出。

  • 雇用契約の変更・終了・新規締結
  • 支援計画の変更
  • 支援委託契約の変更・終了・新規締結
  • 受入れ困難事態の発生
  • 基準不適合の発生
  • 支援計画実施困難の発生

届出の不履行や虚偽報告は罰則の対象です。

Support Org

登録支援機関

委託できることと企業に残る責任

登録支援機関は、特定技能1号の義務的支援の全部または一部を受入企業に代わって実施する機関です。出入国在留管理庁長官の登録を受ける必要があり、登録有効期間は5年です。

委託できること

  • 事前ガイダンスの実施
  • 生活オリエンテーションの実施
  • 相談・苦情対応
  • 定期面談の実施
  • その他義務的支援10項目の実施

委託しても企業に残る責任

  • 支援計画の策定義務
  • 届出義務(定期届出・随時届出)
  • 雇用契約上の責任
  • 労働関係法令の遵守

「登録支援機関に全部委託すれば企業の負担はゼロ」ではありません。支援の実施は委託できますが、雇用主としての管理責任と届出義務は企業側に残ります。

Caution

よくある誤解

制度理解を正す

対象は16分野に限られ、分野ごとに業務区分が定められています。自社の業務が対象分野の業務区分に該当しない場合、特定技能は使えません。

例えば、製造業でも対象の業務区分に含まれない工程は認められません。分野ごとの業務区分を事前に確認する必要があります。

支援の実施は委託できますが、支援計画の策定、届出義務、雇用管理責任は企業に残ります。委託後も企業側の関与は必要です。

特定技能と技能実習は別の制度です。目的、在留期間、転職の可否、企業側の義務が異なります。

技能実習2号修了者が特定技能1号に移行するルートはありますが、制度自体は独立しています。

特定技能1号では、同一の業務区分内または技能水準の共通性が確認されている業務区分間で転職が認められています。転職時は在留資格の変更許可申請が必要です。

2号への移行には、別途2号水準の技能試験に合格する必要があります。1号の在留期間を満了しただけでは2号に移行できません。

FAQ

よくある質問

制度上、学歴要件はありません。技能試験と日本語試験の合格、または技能実習2号の良好修了による免除が要件です。

2号の対象分野であること、かつ2号水準の技能試験に合格することが必要です。1号の在留期間を満了するだけでは自動的に移行しません。

2号は1号を経ずに直接取得することも制度上は可能です。

同一の業務区分内、または技能水準の共通性が確認されている業務区分間であれば転職が認められています。転職する場合は在留資格の変更許可申請が必要です。

企業側は採用時点から定着支援を含めて考える必要があります。

技能実習2号を良好に修了していれば、日本語試験が免除されます。さらに技能実習の職種・作業と特定技能の業務区分に関連性がある場合は技能試験も免除されます。

在留資格の変更許可申請を行います。

特定技能2号では、配偶者と子について在留資格「家族滞在」での帯同が認められています。1号では家族帯同は認められていません。

自社に合う制度を比較して検討できます

特定技能の概要を把握したら、技能実習や技人国との違いを比較ページで確認し、自社に合う制度を選びます。